風景の中のヴィーナスと担当
PAINTING

風景の中のヴィーナスと担当

2025

メディウム

キャンバスに油彩

サイズ

2090 × 1180 mm (82 ¼ × 46 ½ inches)

浅野雅姫の《風景の中のヴィーナスと担当》と《きれいな目の女》は、同じ一人の女性をモデルにしている。このモデルは風俗で働き、ホストと付き合う人物である。

《風景の中のヴィーナスと担当》では、横たわる彼女が三枚の一万円札を、幼児の体に大人の頭部をもつ男へ差し出す。眼差しはやわらかい。《きれいな目の女》では、同じ顔がわずかに固くなり、右手にあった春の花がコンドームに替わっている。

二点はパルマ・イル・ヴェッキオを下敷きにしている。パルマは一人のモデルを、女神として、また肖像として描き分けた。同じ女性が神話の名を与えられるとき、性と金銭の交換はロマンスへと書き換えられる。ホストクラブが女性客を「姫」と呼ぶのと、それは変わらない。

浅野はその様式をそのまま引き受ける。古典の構図、滑らかな表面。ただしキューピッドは「担当」に、矢は紙幣に置き換わる。画面は美しいまま、誰が誰に何を払うのかを示す。

二つの顔は対立しない。同じ人がホストに向ける顔と、客に向ける顔である。払う側と払われる側を、一人が同時に生きている。やわらかい眼差しと、固い眼差し。そのあいだに置かれているものは、画面のどこにも描かれていない。

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