現代アートは、現代のアートということですが、使われる文脈によって意味が変わる言葉のように思います。現代美術、コンテンポラリーアートと呼ぶ際にも、微妙なニュアンスの違いで使い分けている場合もあります。現代アートには、定義がない。そう言ってしまうと怒り出す人があるかもしれませんが、現代を示すことは、なかなか難しいことのようです。
世界的に有名なアート・バーゼルが発行するアート・マーケット・レポートでは、作家の生年によってカテゴリ分けされています(戦後は1910〜1945年生まれ、現代は1945年以降生まれ)。ここでは戦後と現代が別の語として置かれ、金額もそれぞれに集計されています。2025年でいえば、この区分はファインアートのオークション市場で、両者を合わせると45%を占め、戦後だけでも31%と単独で最大の区分です。戦後の作品の落札金額の方が、現代の作品の倍以上あることになります。1945年以降に生まれたというだけで、八十年分の世代が同じ「現代」に入ります。
今の時代に生きて、制作をしていれば現代アートと呼べます。また、なんでもアート、誰でもアーティストという考え方もあります。しかしながら、それでは範囲が広すぎて、何も見分けられなくなる。現代に生きているアーティストであっても様式を踏襲している場合は、現代アートと呼べるのか。
aaploitは現代アートギャラリーと宣言しています。宣言しているからには、aaploitが考える現代アートを説明できなくてはならないと考えます。
aaploitが考える現代アートの定義とは、現代(今まさに生活しているこの時間)に接続し、そこに何かしらの関係性を持つ作品であると考えます。特に政治、経済、社会、技術に対して問いを立てる作品に関心があります。これらはコンサルティングのキャリアで多く用いてきたPEST分析から借用しています。また、美術史に接続し、現代的なアップデートがある作品を観たいと考えます。定義は変わっていきます。現代が動いている以上、それに接続するという定義だけが固定されているのは、おかしなことです。実際に変わってもいます。以前は、絵画や彫刻としてまっすぐに作られた作品を、この定義の外に置いていました。今はそうしていません。
作品が置かれた環境(コンテキスト)と繋がり、問いを立てる。
そうした作品を見たい、見せたいと考えます。
参考文献
The Art Basel and UBS Global Art Market Report 2026, https://theartmarket.artbasel.com/, 2026.9.9参照