アーティスト・ステートメント

絵画の構成要素である墨や膠、胡粉らはそれぞれ炭素、タンパク質、カルシウムであり、生物を構成する要素でもある。

画材は画家の身体と地続きであると感じる一方、制作によって人造の生物を生み出す感覚がある。水張りした和紙が艶やかに思えるように、画材には切実な共感をもって接している。その絵画で描き出したいものは、まだ見ぬ大きな景色であり、それは他者を受け入れ、細部を変化させながらも全体としての姿を保ち続ける人間の在り方そのものだ。

松下は日本画の領域を起点とする素材、技法、思想を根元から反芻し、自らの身体を通して引き受ける実践を試みる。これらの実践を通じて、自分の手で芸術を再編している。そこからさらに逸脱した展開こそ、求めている未開の領域だ。

近年では、狩猟で捕獲された鹿や猪の原皮を譲り受け、自然のバクテリアによって分解させる伝統的な「川漬け法」による膠制作を行った。日本画の展色剤である膠を、単なる画材としてだけではなく、土地と生命の歴史を宿す存在として自覚するためである。

経歴

愛知県生まれ。2024年に京都芸術大学 大学院 美術工芸領域日本画分野を修了。現在は京都を拠点に活動している。

現代美術作家。画家。日本画の領域を起点とする素材、技法、思想を根元から反芻し、自らの身体を通して引き受ける実践を試みる。これらの実践を通じて、自分の手で芸術を再編している。近年では主に膠に着目し、膠制作を通じてその歴史や過程、素材への理解を深め、展示や制作へ還元している。

2024年から京都市大原地域にて民宿施設を活用したアートスペース「AIR大原」を開始。一から芸術実践の可能性を探る。

設備を活用したアーティストインレジデンスの他、室内や駐車場を活用した展覧会やワークショプ、祭の企画、運営を行っている。

CV

学歴

2024

京都芸術大学大学院 美術工芸領域 日本画分野 修了(MFA)

職歴

2025

京都芸術大学 日本画コース 技官

2024

AIR大原 設立・運営

個展

2026

『77年後のリフレクション KYOTO 2026』藤井大丸 7gallery、京都

2024

『出つる未明の』+2gallery、大阪

2023

『彼此方の』aaploit、東京

グループ展(抜粋)

2026

『挑む 菅原健彦と教え子たち』京都芸術大学 ギャルリ・オーブ、京都

2025

『春の大原展』大原文化センター、京都

『アートOHARA国際展』大原文化センター / AIR大原Gallery、京都

『国際的非暴力展 #SUM_MER_2025』京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA、京都

『やまびこ』AIR大原Gallery、京都

企画

2025

『AIR大原1周年記念祭 カムバック!紅葉祭』AIR大原、京都