still life with innocence

still life with innocence

佐藤 来夢

2025年4月11日 – 4月27日

人形作家・彫刻家の佐藤来夢の個展「still life with innocence」を2025年4月11日から4月27日まで開催いたします。

佐藤来夢は、人形作家であり彫刻家でもあります。球体関節人形を独学で習得し、人体彫刻を学ぶため東京造形大学の彫刻専攻に入学し、さらに修士課程で彫刻に取り組みました。人体への理解を深めるため医学部の解剖学研究室に内地留学しました。佐藤の人形作品は、人体彫刻の技術と球体関節人形を融合させた独自のスタイルで注目を集めています。

佐藤の作品は人体解剖学的な正確さを示しつつも、球体関節が人形であることを明示しています。人と同じ姿を持ちながら明らかな無機物と向き合うとき、静物画が花や果物などの無生命を描きながらも生命を表現していたように、佐藤の作品も人形の形態を通じて人間の本質を探求しています。

佐藤来夢《在り処》
佐藤 来夢、《在り処》、20205、石粉粘土、モデリングペースト、油彩、アイシャドウ、髪、1650 × 450 × 300 mm、©2025 Sato Raimu. Courtesy of the artist

本展では人形という媒体を通して、生物と無生物という対立概念の境界を探求します。粘土で形作られた人体表現と球体関節の機構が露わになった作品は彫刻としての静的な佇まいと、人形としての潜在的な動きの可能性を内包しています。これは「静止した生命(still life)」という言葉が持つ逆説性とも響き合い、「生命らしきもの」と「明らかな非生命」という二つの相反する認識を同時に鑑賞者に喚起します。この認知的不協和こそが、佐藤の作品の魅力のひとつです。

佐藤来夢《在り処》
佐藤 来夢、《在り処》(部分)、20205、石粉粘土、モデリングペースト、油彩、アイシャドウ、髪、1650 × 450 × 300 mm、©2025 Sato Raimu. Courtesy of the artist

佐藤の作品は、人体を正確に立体化していた古典的な人体彫刻の伝統を継承しながらも、現代的な解剖学的理解と独自の人形制作技術によって新たな表現に到達しています。その背景には、西洋美術における静物画や解剖図の伝統があり、「物質に宿る魂」という普遍的なテーマへの探求があります。

本展および作品に関しましてのお問合せは info@aaploit.com までお願いします。また、コミッション制作につきましてもお問合せください。

still life with innocence

会期
2025年4月11日 – 4月27日
開廊時間
会期中の金、土、日 13:00 – 18:00 ※会期中の他の日程の観覧をご希望の場合にはご予約ください。
会場
aaploit, Tokyo

佐藤 来夢

2000年生

人形という形式を通じて、身体の造形とその見えをめぐる問いに取り組む。人形として構想された作品では約6頭身のプロポーションを、解剖学的精度に基づく等身大の作品では作家自身の9頭身を正確に再現する。この歪曲と精密な複製の往還が、人体そのものでは直接問うことのできない存在論的な違和を生み出す。2023年より順天堂大学医学部解剖学講座に特別研究生として在籍。アナトミー・チュートリアルズに参加し、美術解剖学の教育・普及にも携わる。2000年静岡県生まれ。

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