own pace

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道又 蒼彩

2023年9月1日 – 9月24日

aaploit (アプライト)では2023年9月1日(金)から9月24日(日)まで、道又蒼彩の個展「own pace」を開催致します。道又は武蔵野美術大学大学院で版画について研究しています。

学部時代に制作した”カフカの階段”は、小説家フランツ・カフカの『父への手紙』を参照した社会運動家・作家の生田武志氏によって提唱されました。*1

失業する。住所を無くす。そうしたことは階段を一段ずつ下りるようですが、一旦路上生活になると、元の生活に戻る階段はとても高い段差を持つ。カフカは『父への手紙』の中で、父からの過度の重圧により、他の人の五倍の段差の階段を上らねばならず、それは自分にとって精一杯の努力をしても上れないということをしたためています。野宿者が住所を得ること、職を得ること、給料日までのお金を確保すること、そうしたことが壁のように立ちはだかる階段のようであると。

そうした概念を参照した、道又が示すカフカの階段は、同世代が感じる人生の理不尽さを表明しています。

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カフカの階段 #4 ©道又蒼彩カフカの階段 #3 ©道又蒼彩

道又 蒼彩, カフカの階段 No.7, 2023, 油性木版画, ©2023 道又 蒼彩, Courtesy of the Artist and aaploit

カフカの階段 #7 ©道又蒼彩

階段を上ることを前提とされた社会、それぞれの階段は違うのではないか。

階段を下りていることに自覚のない者、階段を上るということを放棄した者、一律に階段を上らなくてはならないのか。道又は、作品を通じてそうした問いかけをします。トー横キッズに見られるような現代的なテーマを扱っていますが、作品は一見すると絵本のような雰囲気であり、扱っているテーマの深さとのギャップが階段の段差を想起させます。

階段を様々なシチュエーションとして、必ずしも全ての人に適用できるものではないという訴えが込められているのです。

本展では、《カフカの階段》シリーズと新作シリーズを展示します。

*1 https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/20477/2-6_15-16.pdf

own pace

会期
2023年9月1日 – 9月24日
開廊時間
会期中の金、土、日 13:00 – 18:00 ※会期中の他の日程の観覧をご希望の場合にはご予約ください。
会場
aaploit, Tokyo

道又 蒼彩

2000年生

木版画を通じて、社会構造の中での位置と選択を問い続ける。版を重ねながら掘り進める制作過程において版木は変化し、エディション番号が付与されながらも、完成後に同じイメージを刷ることはできない。複製技術でありながら不可逆的に生成される作品は、一人一人の経験が異なるように、それぞれが固有の存在として立ち現れる。2025年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻版画コース修了。主な個展に「relief」(札幌芸術の森美術館、2025年)、「community of」(aaploit、2025年)。作品はアーツ前橋に収蔵されている。2000年北海道生まれ。

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