Imprint – Texture of Logos
熊谷綾乃
aaploitでは2025年1月17日から2月2日まで熊谷綾乃の2回目の個展「 Imprint – Texture of Logos 」を開催します。熊谷綾乃が存在の本質と人間の痕跡を探求する展覧会です。
東京造形大学大学院でテキスタイルを研究し、アパレル企業での勤務経験を経て、熊谷は独自の芸術的言語を紡ぎ出してきました。登山を通じて得た高山植物への深い洞察は、彼女の作品の根幹を成しています。過酷な環境で生き抜く植物のレジリエンスは、人間の存在様式への比喩的な問いかけとなっていることでしょう。
前回の展覧会「altitude」で探求された生命の境界線は、今回の展覧会では消費社会におけるアイデンティティの地層へと視点を移します。巨大なブランドロゴは、もはや単なる商業的記号ではなく、個人の自己表現の媒体となります。 古着のブランドロゴに施された熊谷の介入は、個人と集合的アイデンティティの複雑な相互作用を可視化する試みです。熊谷は刺繍という繊細かつ力強い技法を通じて、ブランドロゴを再解釈し、それが持つ意味を解体し、再構築します。
テキスタイルパネルに立体的な編み物を構築する熊谷の手法は、彼女が「レリーフ」と呼ぶ独自の表現形式を生み出しています。平面と立体の境界を曖昧にするこの技法は、アイデンティティの流動性を視覚的に体現していると言えるでしょう。高山で出会う植物のように、ここでの作品は静かでありながら力強く、見る者に存在の複雑さを静かに語りかけます。 この展覧会は個人とブランド、自然と人工の間に広がる階層を探求する旅です。色彩が徐々に移り変わるように、アイデンティティもまた明確な輪郭を持たず、絶えず変容し続けます。
熊谷綾乃は刺繍という繊細な技法を通じて、私たちの存在の多層性と、流動的で曖昧な自己の本質を浮き彫りにします。彼女の作品は、見る者に自己の定義を問い直す契機を提供することでしょう。
aaploit は、熊谷綾乃の二回目の個展である本展覧会をもちまして現在のスペースから移転します。江戸川橋駅近くへ移転します。詳細につきましては、またお知らせいたします。
本展覧会、作品についてのお問い合わせは、info@aaploit.com へメールを頂けますと幸いです。
Imprint – Texture of Logos
- 会期
- 2025年1月17日 – 2月2日
- 開廊時間
- 会期中の金、土、日 13:00 – 18:00 ※会期中の他の日程の観覧をご希望の場合にはご予約ください。
- 会場
- aaploit, Tokyo
Artist
熊谷綾乃
1990年生
工業用刺繍ミシンを用い、量産された衣服に一点ずつ刺繍を施す。近年はブランドロゴを伴う古着を素材に、ロゴを消すのではなく、植物的なモチーフを重ねることで、消費とは異なる時間を衣服の表面に挿入する。アパレルの生産・流通の現場に身を置いた経験から、システムの内部で介入する。東京造形大学大学院修了。
学歴
東京造形大学 造形学部 デザイン学科 テキスタイルデザイン専攻領域 卒業
東京造形大学大学院 デザイン研究領域 修了
個展
『Imprint – Texture of Logos』, aaploit, 東京
『altitude』, aaploit, 東京
グループ展(抜粋)
『8の字ダンス』, 黄金町アーティスト・イン・レジデンス, 神奈川
『東京造形大学 第9回助手展』, 東京
『東京造形大学 第8回助手展』, 東京
『SICF23, スパイラル』, 東京
『Hand-held Art チャリティー/エコバッグアート展』, 岡山
2017
『清州国際工芸ビエンナーレ』, チョンジュ, 韓国
2016
『THE DOROTHY WAXMAN TEXTILE DESIGN PRIZE』, ニューヨーク, アメリカ
『The 2nd Young Textile Art Triennial - YTAT 2016』, ポーランド
2015
『日本のクラフト in IWATA』展, 磐田市新造形創造館, 磐田
『bi chu watabokkee ー木から糸へー』展, 岡山
レジデンス・フェローシップ
備中アートブリッジ(岡山県主催), 岡山
ワークショップ
裂き編みワークショップ, aaploit, 東京
裂き編みワークショップ, mee mee center sumeba, 下諏訪
受賞・助成
日本クラフト展 招待審査員須藤玲子賞
東京造形大学大学院 ZOKEI賞
日本クラフト展 読売新聞社賞