altitude
熊谷綾乃
東京都文京区の現代アートギャラリー aaploit では、2022年11月3日から11月27日まで熊谷綾乃の個展「altitude」を開催します。
熊谷は自身の登山経験から作品制作を実践しています。極限的な環境で出会う高山植物、人が立ち入ることも困難な場所で咲く草花、生命の強さや生命を取り巻く環境を表現するように作品制作を実践しています。
熊谷の作品は生命をモチーフとし、染めたテキスタイルに編み縫いをすることで、平面と立体との関係性を探求しています。テキスタイル・パネルとして構成された平面に、立体的な編み物が構築されていく様子は作家自身がレリーフと呼んでいます。
レリーフ。キャンバスに施された刺繍、編み物は生き生きとした表情を見せ、見る人を楽しませてくれますが、これらのモチーフである高山植物は人が立ち入ることが困難な過酷な環境で育つ力強さを持っています。本展覧会の名称であるaltitude(標高)は、そうした生命の力強さを考察し、生命の在処を考察する試みです。
熊谷は人が生きていくには過酷な標高によって、自身と生き物との距離を感じられると言います。空気も薄く、滑落の危険もある高山で感じる生命、制作することで生命の在り場所を問いかけ、その境界をあいまいにさせて一体化していく。それぞれにある命の在り場所を作品につなぎとめているようです。
altitudeは青く染めたテキスタイルを下地とし、中央に赤い茎と葉を持ち、白い花弁が散りばめられた植物を提示しています。画面一杯の花弁には中央に花糸を思わせる刺繍が施されており、茎には花弁が集まってきています。背景の花弁は花が群生している様子を想起させ、前景に浮き立った赤い茎を持つ花は個別の命や個性を表しているかのようです。人の社会をも連想させるような対比が作品から溢れ出します。
熊谷はテキスタイルを支持体にし、編み込みで作る自身の作品をレリーフと呼びます。彫刻的な立体感は、熊谷の身体性、体験を積み上げ、あるいは刻み込んでいるかのようです。
altitude
- 会期
- 2022年11月3日 – 11月27日
- 開廊時間
- 会期中の金、土、日 13:00 – 18:00 ※会期中の他の日程の観覧をご希望の場合にはご予約ください。
- 会場
- aaploit, Tokyo
Artist
熊谷綾乃
1990年生
工業用刺繍ミシンを用い、量産された衣服に一点ずつ刺繍を施す。近年はブランドロゴを伴う古着を素材に、ロゴを消すのではなく、植物的なモチーフを重ねることで、消費とは異なる時間を衣服の表面に挿入する。アパレルの生産・流通の現場に身を置いた経験から、システムの内部で介入する。東京造形大学大学院修了。
学歴
東京造形大学 造形学部 デザイン学科 テキスタイルデザイン専攻領域 卒業
東京造形大学大学院 デザイン研究領域 修了
個展
『Imprint – Texture of Logos』, aaploit, 東京
『altitude』, aaploit, 東京
グループ展(抜粋)
『8の字ダンス』, 黄金町アーティスト・イン・レジデンス, 神奈川
『東京造形大学 第9回助手展』, 東京
『東京造形大学 第8回助手展』, 東京
『SICF23, スパイラル』, 東京
『Hand-held Art チャリティー/エコバッグアート展』, 岡山
2017
『清州国際工芸ビエンナーレ』, チョンジュ, 韓国
2016
『THE DOROTHY WAXMAN TEXTILE DESIGN PRIZE』, ニューヨーク, アメリカ
『The 2nd Young Textile Art Triennial - YTAT 2016』, ポーランド
2015
『日本のクラフト in IWATA』展, 磐田市新造形創造館, 磐田
『bi chu watabokkee ー木から糸へー』展, 岡山
レジデンス・フェローシップ
備中アートブリッジ(岡山県主催), 岡山
ワークショップ
裂き編みワークショップ, aaploit, 東京
裂き編みワークショップ, mee mee center sumeba, 下諏訪
受賞・助成
日本クラフト展 招待審査員須藤玲子賞
東京造形大学大学院 ZOKEI賞
日本クラフト展 読売新聞社賞