Squares

Squares

神威 惟明

2024年6月7日 – 6月23日

aaploitでは2024年6月7日(金)から6月23日(日)まで、神威惟明による個展「Squares」を開催致します。神威は、日本の近代化における体力作りの一環として作られた公園と体力づくりのために輸入された遊具に着目し、夜の公園に佇む遊具を撮影しています。昼間の喧噪が想像できないほどの静けさを持った画面は引き込まれるような魅力を見せます。

神威が独自の視点で捉えた夜の公園の遊具。その大胆なアプローチは、見る者に孤独と遊びの微妙な関係性を問いかけます。モノクロの世界に浮かび上がる遊具たちは、時間の止まったような静寂の暗闇の中で輝く遊具は、まるで夢の中から飛び出したような幻想的な存在です。神威のカメラが捉えたその姿は、現実と非現実の境界線を曖昧にし、観る者を夢幻の世界へと誘います。公園は昼と夜とで異なる顔を見せますが、その暗い闇の中でこそ、遊具たちは新たな魅力を放ちます。

孤独と遊びの対話、遊具たちは孤独な存在として機能します。一人でその姿を眺めると、心に孤独や寂しさが広がる一方で、遊具の持つ遊び心や創造性が、新たな活力をもたらす瞬間が訪れます。神威の作品は、この対話を探求し、観る者に新たな考えを与える契機となるでしょう。

夜の公園の遊具が語る物語は、私たちの内なる孤独や遊び心との関係性を探る旅に招待します。

宇宙的孤独に遭遇する/神威惟明の写真のために

後藤繁雄(京都芸術大学教授)

あらためて言うまでもないが、今や写真は真実を証明するためのものではないし、自己表現のものでもない。生きている時空を探査したり、変換するための装置だ。いまだに、多くの写真家は、そのような写真の「メタ思考」ができずに、古い視覚プレイに留まっていて、写真がメタバースの入り口にあることにすら気づいていない。旅を恐れて、古い写真に引き返す人もいる。

神威惟明は、写真という装置が、世界認知の別次元へ導くことに気づいたアーティストである。彼はコロナ期間中に、夜中にひとり無人の公園に出向いて、遊具を撮影し続けた。それは目的や意味の無い、社会から逸脱した「怪しい」旅ともいえる。確かに彼が撮った公園の遊具は、もとは国民の体力増進のための、国策装置であったにしても、そんな原初の意味など霧散したオブジェである。神威惟明が撮った写真を見ていると、結局、彼が探査・接触・遭遇したものは、「宇宙的孤独」であると思われる。全ての場所、モノが等しく宇宙の孤絶にあることを。

現代写真がアートにシフトするためには、水平の旅と垂直の旅が必要だ。水平はコンテンポラリーアートのコンテクストとの接続、垂直は存在と認知の旅だ。深夜の写真の儀式は神威惟明を変成させた。彼の写真を壁に掛けてみよう。それはあなたを「宇宙的孤独」に誘う旅窓である。

Squares

会期
2024年6月7日 – 6月23日
開廊時間
会期中の金、土、日 13:00 – 18:00 ※会期中の他の日程の観覧をご希望の場合にはご予約ください。
会場
aaploit, Tokyo

神威 惟明

大学では経営学を学びながらプロアマ双方のバンド、学生スタートアップの撮影などを経て、写真とアートを学ぶため 2016 年、在学中にイギリスへ留学する。

展示歴

2022

『リコーフォトアカデミー2021年度ゼミナール修了展 吉川ゼミ』, リコーイメージングスクエア大阪, 弘重ギャラリー, 大阪, 東京 巡回

『GR展』, フォトバーサヨウ, 神奈川

受賞歴

2023

TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD 2023, 後藤繁雄賞