ITERATION

ITERATION

伊東 理乃, 乾 幸太郎, 鹿野 真亜朱, 友澤 春香, なんぶ ゆめと, なんや ゆうき, 萩中 茉優

2026年8月28日 – 9月13日

aaploitでは2026年8月28日(金)から9月13日(日)まで7人の作家によるグループ展「ITERATION(イテレーション)」を開催します。

版画は、複製技術として世に現れた。木、石、銅、シルクスクリーン。技法と素材の発見・発明を重ねながら、この表現は展開してきた。

版画制作では紙に直接描かない。版をつくり、その版を介して像を得る。手と像のあいだには版が一枚挟まっている。間接的に図像を得る造形技術である。版をつくり、刷りを繰り返し、ひとつの像に至るまでの判断を積み重ねながら制作する。繰り返しのなかで版を深め、刷りを追い込み、決定に至る。複製技術として開発された版画は、制作プロセスに反復(イテレーション)が組み込まれている。

版画から複製の使命が後退したとき、機能の陰にあった反復が、はじめて自律した存在として立ち上がる。それは解放されるのではない、見えるようになるのだ。

本展「ITERATION」は、表現として版画を選択している7人の作家を紹介する。

7人にとって版画は複製のための手段ではない。技法、プロセス、そして結果として現れる表現が分かちがたく結びつき、反復そのものがコンセプトとして作品を支えている。本展で提示される作品に、モチーフとしての共通項はおそらく見いだせない。通底するのは、プロセスを見つめる態度である。

タイトルの『イテレーション(iteration)』は、ラテン語の iterare(繰り返す)に由来し、『再び行うこと』を意味する。本展はこの語を、版をつくり刷りを重ねる版画の制作プロセスに重ねている。本展は、反復から立ち上がる表現が、版画という枠組みを超えて広がっていく現在を提示する。

ITERATION

会期
2026年8月28日 – 9月13日
オープン
会期中の金、土、日 13:00 – 18:00 ※会期中の他の日程の観覧をご希望の場合にはご予約ください。
会場
aaploit, Tokyo

伊東 理乃

写真的なイメージをシルクスクリーンによって「偽装」する。複製メディアとしての写真と、複製技術としてのシルクスクリーンを重ね「記録」と「表現」の境界を問い直す。2026年京都芸術大学, 芸術学部, 美術工芸学科, 卒業。同年 京都芸術大学大学院, 入学、在学中。

アーティスト詳細 →

乾 幸太郎

「テキスタイルそのものを鑑賞する」という問いから制作する。キャンバスに組織を織り込めば、支持体として沈んでいた麻布が前景に浮かぶ。シルクスクリーンでは意図的な目詰まりが、同一の版下から異なる表情を引き出す。ドレス・コードを剥奪されたとき、テキスタイルに何が見えるかを問い続ける。京都芸術大学、2024年修了。

アーティスト詳細 →

鹿野 真亜朱

2001年生

東北芸術工科大学大学院芸術文化専攻絵画領域修了。漆芸の技法を援用したシルクスクリーンによるミクストメディア作品として提示する。複製技術を用いながらユニークピースとして完成する作品は、現代的な匿名性を暗喩させる。現代都市の不可視の関係性を描き出す。

アーティスト詳細 →

友澤 春香

2003年生

モノタイプで作品制作を行う。モノタイプは定義上、複製不可能な一回限りの版画であり、「複製」という版画の前提を内側から問いかける。モノタイプの一回性は、版の論理をドローイングの身体性へと解き放つ。 2026年東京造形大学造形学部美術科絵画専攻版表現 卒業、同年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻版画入学。在籍中。

アーティスト詳細 →

なんぶ ゆめと

2001年生

レーザーカッターによって木版を制作する。手の痕跡を経由しない版の生成と、刷りという身体的な行為の組み合わせ。デジタルと手仕事の境界を、版画の工程に持ち込む。 2026年京都市立芸術大学美術研究科修士課程美術専攻版画, 修了。

アーティスト詳細 →

なんや ゆうき

2000年生

岐阜県出身、2023年に名古屋芸術大学を卒業。在学中は洋画を学び、積極的に学内外で作品を発表。生命と感情、それらを練りこむような作品制作をしている。2000年生まれ。

アーティスト詳細 →

萩中 茉優

2001年生

メゾチントの技法研究に取り組む。ベルソーの制作年代や摩耗状況の差異が生む黒を探求する。強いプレスでインクは紙の繊維の深くに浸透し、紙の表面そのものを変形させる。萩中の黒は、インクの色ではなく、変容した紙の物質性として立ち現れる。 2026年東北芸術工科大学 修士課程 芸術工学研究科 芸術文化専攻 絵画研究領域 修了。

アーティスト詳細 →