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大越円香 個展「Binocular Data Visualization」開催のご案内

aaploitでは、2024年9月27日(金)から10月13日(日)まで、大越円香による個展「Binocular Data Visualization」を開催致します。大越はiPhoneに着目し、スマートフォンによって変容した社会を捉えるように作品制作を実践しており、近年はLiDARセンサーを活用した「Surface Drawing」シリーズを発表しております。

大越円香 《surface drawing 20230322-04》, 2023
《surface drawing 20230322-04》, 2023, Courtesy of the Artist

大越円香は、急速に進化するデジタル技術が我々の知覚と現実理解にもたらす変容を鋭く観察し、その過程をアートとして昇華させる稀有な才能を持つアーティストです。彼女の「Surface Drawing」シリーズは、これまで専門的な用途に用いられてきたLiDARセンサーが、iPhoneという日常的なデバイスに搭載されたことを捉えています。

大越の作品制作は、LiDARセンサーによって撮影する専用iPhoneアプリで都市景観や人物を撮影し、LiDARが捉えた点群データから生成された3Dモデルを拡張現実(AR)技術を用いて現実空間に呼び出し、そのデータ像を撮影します。この手法は、テクノロジーが「見ている」世界を私たちに提示します。これは単なる技術的な実験ではなく、人間の知覚の断面と、それを超える可能性を問いかける哲学的な探求でもあります。

本展覧会で発表する新作「Binocular Data Visualization」シリーズは、「Surface Drawing」の概念をさらに発展させた野心的な取り組みです。この作品は同一対象の表裏を同時に可視化することで、データの多面性と知覚の相対性を探求します。これは単なる技術的な実験を超え、人工知能が日々膨大なデータを処理し、新たな洞察を生み出している現代社会へのテーゼとも言えるでしょう。

大越の作品は、コンシューマー技術と先端的なデータ処理技術の接点に立ち、現代社会における知覚とデータの関係性を再考させます。彼女の「Binocular Data Visualization」は、宇宙物理学などの最先端科学が直面するビッグデータの課題にも通じる、データの可視化と解釈の新たな方法論を提示しているのです。

彼女の作品は、技術革新がもたらす新たな美学の探求であると同時に、私たちを取り巻く世界の見方を根本から問い直す、挑戦的かつ詩的な試みなのです。

この展覧会を通じて、テクノロジーが拓く新たな知覚の地平を体験していただくとともに、日常的に使用するデジタルデバイスが秘める可能性について、深く考察する機会を得ていただければ幸いです。

本展覧会では新作シリーズを展示します。大越が示す新しい世界の捉え方を是非、御高覧ください。

展覧会概要

Binocular Data Visualization

会期
2024年9月27日(金)から2024年10月13日(日)
金、土、日の13:00 – 18:00
※会期中の他の日程(曜日)につきましてはお問合せください。
会場
aaploit
東京都文京区水道2-19-2
有楽町線 江戸川橋駅 出口4から徒歩9分程度

大越 円香 / Madoka Okoshi

2023
情報科学芸術大学院大学(IAMAS)メディア表現研究科博士前期課程 修了
2020
秋田公立美術大学美術学部美術学科ビジュアルアーツ専攻 卒業

展示歴

個展(抜粋)
2024
Detection (anonymous studio/愛知)
2022
Invisible view (KUNST ARTZ/京都)
2021
表層を観測する Observe the surface (KUNST ARTZ/京都)
Unaccounted for ” ” (GalleryTURNAROUND/仙台)
グループ展(抜粋)
2024
群馬県立近代美術館コレクション展示:新収蔵作品展(群馬)
Archi Disco #4 「VORTEX」 (Media shop/mogana/京都)
2023
Born new art vol.3(+ART GALLERY/東京)
2022
SHIBUYA STYLE vol.16  (西武渋谷店/東京)
2021
SHIBUYA STYLE vol.15  (西武渋谷店/東京)
2020
SHIBUYA STYLE vol.14  (西武渋谷店/東京)
アートアワードトーキョー丸の内2020  (東京駅行幸ギャラリー/東京)
コレクション

群馬県立近代美術館