道又蒼彩は武蔵野美術大学で木版画を学び、更に大学院で研究をすすめている。彼女の“カフカの階段”シリーズは、チェコ出身の小説家フランツ・カフカの小説から着想を得て、社会運動家・作家の生田武志氏が提唱した概念である。階段を一段一段下りていくこと(失業からホームレスになること)は簡単だが、階段を上ること(元の社会に復帰すること)は困難であることを階段の上り下りに例えている。
道又は、カフカの階段の比喩を参照し、彼女と同世代の二十歳前後の人たちに向けて制作した。階段を下りていることに自覚のない者、階段を上るということを放棄した者、一律に階段を上らなくてはならないのか、道又は作品を通じてそうした問いかけをする。
トー横キッズに見られるような現代的なテーマを扱っているが、一見すると絵本のような雰囲気であり、時代を超越するような表現を心がけた。扱っているテーマの深さ、また、階段を様々なシチュエーションとして、必ずしも全ての人に適用できるものではないという訴えが込められている。
WORKS / INSTALLATION VIEW
EXHIBITIONS
経歴
道又蒼彩 / Aoi MICHIMATA
東京拠点
- 2000年
- 北海道生まれ
- 2023年
- 武蔵野美術大学 造形学部 油絵学科 版画専攻 卒業
武蔵野美術大学大学院 造形研究科 修士課程 美術専攻版画コース 入学 在学中
個展
- 2024
- SPRING, aaploit (東京, 神楽坂)
- 2023
- 道又蒼彩展, anonymous collection (東京, 表参道)
- 2023
- own pace, aaploit (東京, 神楽坂)
コレクション
- アーツ前橋
受賞歴
- 2023
- 第3回anonymous collection優秀賞
メディア掲載
- 2023
- 現代思想2024年1月臨時増刊号 総特集=カフカ 生田武志氏の論考内で道又作品を紹介
福祉のひろば 2023年12月号, 2024年1月号 生田武志氏によるコラムの中で道又作品を紹介
美術の窓 No.476 2023年5月号 インタビュー掲載