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春名 真歩 / MAHO HARUNA

春名真歩は、絵画制作において独自の哲学と手法を追求する抽象画家です。その表現は、アンフォルメルを彷彿とさせる表現と具体美術協会を連想するような身体的な行為性を持ちながら、独自の軽やかさと解放感によって、より現代的な様相を呈しています。

春名の制作プロセスは、禅の実践に似ています。座禅が呼吸にのみ意識を向けるように、彼女は「描く行為」そのものに全身全霊を注ぎます。この姿勢により、先入観や固定観念から解放された状態で作品を生み出します。彼女は自身の制作を「何にでもなれるもの(空気)を描いている」と表現します。それは単なる画面上の表現にとどまらず、空間的な広がりの中で展開される一つ一つのストロークやタッチ、線そのものが絵となっていくプロセスを示しています。

春名の制作技法は、絵画の物質性と身体性を追求した20世紀半ばの実験精神を継承しながら、より自由で軽やかな現代的感性を獲得しています。筆だけでなく、絵具を直接チューブから出したり、足を使ったりと、様々な方法で画面を構築していきますが、そこには重厚さよりも解放感が漂います。この身体的な関わりが、油彩という従来的な媒体を用いながらも、画面の中に留まらない空間的な表現を生み出します。

春名真歩の作品は、私たちが当たり前だと思っている絵画の概念を、新たな視点で捉え直す機会を提供します。鑑賞者は、彼女の作品を通じて、固定概念にとらわれない新たな「現実」を体験することができるでしょう。春名の芸術は、アクションペインティングの系譜を現代的な感性で更新し、観る者に新鮮な視点と体験をもたらします。それは私たちの「現実」の概念を再考させ、想像力の扉を開く鍵となるのです。

WORKS / INSTALLATION VIEW

  • a full scale hole, 2023, ©Maho HARUNA
  • a full scale hole, 2023, ©Maho HARUNA
  • a full scale hole, 2023, ©Maho HARUNA
  • a full scale hole, 2023, ©Maho HARUNA
  • a full scale hole, 2023, ©Maho HARUNA
  • a full scale hole, 2023, ©Maho HARUNA
  • a full scale hole, 2023, ©Maho HARUNA
  • a full scale hole, 2023, ©Maho HARUNA

EXHIBITIONS

経歴

春名真歩 / MAHO HARUNA,
岡山県出身

2023年
東北芸術工科大学 美術科 洋画コース 卒業

個展

2024年
春名真歩展, 画廊翠巒(群馬,前橋)
2023年
まっすぐ歩く, aaploit(東京,神楽坂)

グループ展

2024年
手 跡 てあと ━東北から紡ぐリアル━, (東京)
2023年
東北芸術工科大学卒業・修了展[東京選抜展], (東京都美術館)